所長
長野 玲子(ながの れいこ)

  • 専門分野:看護観、看護技法、目標管理、メンタルストレス・ケア
  • 趣 味:毛糸手編み、ダンス、カラオケ
  • 好きなもの:ゴチソウ ・・・ 種類は無制限、量は Dr stop まで。
    各地を回るうちすっかり味をしめてしまって・・・美しい景色とおいしいお料理はどんな遠いところにでも、私を引き寄せる・・・ナットクのいく食べ物にであったとき心から・・・「生きててよかった」と思ってしまうのです。
    旅に出ること、旅をすること、旅から帰ること。
    ささやかな新しい「非日常」を期待して旅支度をし、いつもは会えない人、新しい風景、新しい人に出会い、驚き、感動し、会えなかった時間にあらためて気づいた家族の絆を確かめるため家路につく
  • 簡単な履歴

    1962年 福岡県立鞍手高校卒業 九州大学医学部付属看護学校入学
    1965年 同上卒業 九州大学医学部付属病院勤務
    1966年 福岡市衛生局福岡保健所勤務 次いで西保健所勤務 次いで市立第一病院勤務
    1980年 九州産業大学経済学部(二部)入学  84 同卒業
    1996年 福岡県看護協会二地区支部長
    1997年 福岡県看護協会訪問看護ステーション「こが」開設準備委員長
    1999年 福岡市民病院看護部長 各地で「ふれあう看護」講演活動開始
    2003年 福岡県看護協会看護師職能委員長
    2004年 看護コミュニケーション・センター(有)グレードアップ・ラボ 設立
    2006年 看護コミュニケーション・センター (有)グレードアップ・ラボ 代表取締役・所長 就任
    2015年 医療コミュニケーション・センター グレードアップ・ラボ へ社名を変更
    現在地(博多駅前4丁目)に移転

    ご挨拶

    ~ 「ふれあう空間」の実現へ ~

    疲れを癒せる憩いの場であり、同時にまた、次々に起こる看護現場の諸問題の解決法を検討する場でもあるような、そんなスペースがないものか。

    めまぐるしくコトが起こって“考える暇のない”医療の現場にいて、随分前からそんな願望を持っていました。思い返しますと、私たち医療者を、どうにも振り切れない、解消する見通しのない「慢性的な疲労感」の中に押し込めていたのは、「考えを整理できる“時間”と“空間”がない」ことだったような気がします。病院勤務の最後の5年間を過ごした看護部長室も、残念ながら空間的環境は相談に来た職員の疲れた感性を癒すほどの配慮は許されず、面談に割くことの出来る時間も歯がゆいほどに限られたものでした。

    疲れに優しい環境がほしい、相談者が気持ちをほぐせるだけのゆっくりした時間がほしい、仕事の上の問題を話して理解してもらうことができ、自分の考えを整理してまとめることができ、問題解決のヒントが得られるような、そして明日へ立ち向かう元気を湧かせてくれるような、そういう「サービス」はないものか。サービス産業が隆盛を極めている昨今、なぜそんなサービスが生まれないのか、という思いを抱き続けていました。

    今叫ばれている、そしてすべての医療関係者がエネルギーを注いでいる「医療の質の向上」は、「医療者の質の向上」なくしては実現できません。医療者個々人の自己啓発は個人的で二次的なことと見なされていますが「いくら意欲があっても、自分の持っている資質を医療に生かせない」というのは、本来、医療者個々人のQOLにとっても大きな問題ですし、また、わが国の医療界の「高品質化」を真剣に考えるとき、ゆるがせに出来ない大きな損失であることは論を待たないでしょう。

    疲れているのはまじめな医療者なのです。医療という仕事に意欲を持ち、もっとよい医療をしたいと願っている医療者が、現実のさまざまな条件と悪戦苦闘するから疲れるのです。もっとやらねばならない、もっと出来るはずだ、こんなことが何故できない、私はダメだ、私は医療者に向いていない・・・と、負の感情のスパイラルに陥ると、自分の力だけでは脱出できなくなってしまいます。「それは個人の問題だ」といって放置すべき問題でしょうか。結果的に有能な医療の専門家が、また熱心な医療者が、医療の世界から消えてゆくことさえあります。

    医療者を、一時的に、様々な責務から開放し、ゆっくりと自分を見つめなおし、医療の現実を点検しなおすことができるような、そんな時間と空間と人的環境は、本来、あって当然のものと考えます。患者さんと心の通い合う医療をするためには、その医療者自身が心を通い合わせ結びつきを感じられる誰かを持っている必要があると思います。そんな「誰か」に私はなりたい。医療をまじめに考えている医療者の誰に対しても、です。医療のために医療者のあり方を考え、医療者のために医療システムの仕組みを考えて、その総合として「患者中心の看護」を実現する、という病院と医療者のあり方を研究したいと思っています。

    私はこれまでの病院勤務や著作の中で「ふれあう看護」という概念を提示してきました。この「医療コミュニケーション・センター グレードアップ・ラボ」も、私の意識の中では「ふれあう空間」としてイメージされています。

    医療者が癒されるところ ・・・
    全国、病院のあるところ、医療者が頑張っているところにはどこでも、そんな空間があればいい、と思っています。想いを同じくされている方たちとは積極的に協力していきたいと思っています。

    医療が実現しようとしている人間関係は、平和な未来社会というものが想定されるならば、その基礎として万人が体現している人のあり方となるべきものだと思います。この意味で、医療は未来を作る、と言えるかもしれません。個人の未来、社会の未来を肯定する人間性を、その萌芽を、今の苦闘の中で、医療がはぐくもうとし、医療者が担おうとしているように思われます。

    私はこの「ふれあう空間」を消滅させたくありません。皆さんのご苦労と私のツッパリ、比べられて遜色のないくらいに頑張るつもりです。
    皆様のご指導・ご支援を、謹んでお願い申し上げます。